南アフリカにいます、きたむ(wakajps)です。
南アフリカ共和国にきて一年が経ち、将来的に『南アフリカを軸としてアフリカでビジネス・起業する』という選択肢を持ち始めました。
”ビジネス”というと、ゴリゴリにお金を稼ぐ!というイメージが出てきてしまいますが、そういうわけではなく、アフリカと日本をつなぐきっかけを作るお仕事をしたい、というのが私の考えです。
大きなポイントは次の二つ。
- 文化・経済面でアフリカと日本の架橋になる
- 南アフリカ国内の分断された経済圏に橋を渡す
具体的にどういうことをしようか!という、いわゆる事業内容にあたる部分はいくつかアイディアが浮かび始め、いまは現地の南アフリカ人と話をしながらアイディアを出し合っています。
日本企業によるアフリカビジネスの拡大を目的とした「日アフリカ官民経済フォーラム」が開催された!
これはここ数日のお話(2018年5月)ですが、南アフリカ共和国のヨハネスブルグで「日アフリカ官民経済フォーラム」が開催されました。
このフォーラムの目的は、「アジアや欧米と比べて事業を行う日本企業が少ないアフリカ市場で、いかに民間投資を促進するかがテーマ」というもの。
南アフリカの経済紙でも大きく取り上げられています。
乗り継ぎ地のドバイにいます。
南アフリカの経済紙では日アフリカ官民経済フォーラムについて大きく報じられています。日本ではどうでしょうかね。 pic.twitter.com/CD9xpQYXp2— 世耕弘成 Hiroshige SEKO (@SekoHiroshige) 2018年5月5日
世耕弘成経済産業相は開会式で、日本の対アフリカ直接投資は過去10年間で4倍に増えたものの、規模はまだ十分でないとし「ビジネス関係を幅広く、強固に発展させる」ともコメントしています。
以前から日系企業のアフリカ進出は力を入れられてきたように思いますが、ここでさらに拍車をかけて注力されていきそうですね。
南アフリカ国内の経済圏は貧富の差で分断されている
アフリカ全体でみれば南アフリカは経済的に発展した国としてみられていますし、それは間違いではありません。
ただし、もう少しマクロな視点で見てみると、国内の貧富の差は浮き彫りになっていることがわかります。人口の約60%の人々が月収1万円以下(最低賃金は時給20ランド(≒180円))で生活をし、一方で、都市部の人々は日本と大差ない環境で生活をしています。
南アフリカの貧困層(月収4,000円前後)は、2011年の2,700万人から2015年に3,000万人を超し、段々と増えている傾向にある。南アフリカの総人口は5,500万人。最も貧困に直面しているのは、イースタンケープ州で、次いでリンポポ州、クワズールナタール州。#NGO新入社員研修
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) 2018年2月8日
個人的には、貧富の差以上に、経済圏が分断されている現状がより、悪循環を招いているのではと思っています。逆にいえば、解消することにより、伸びしろがさらにあると感じています。
南アフリカの地方や都市部に足を運んでわかったのは、経済的な面だけではなく、人々の行動範囲も限られてしまっているということ。(経済がまわっていないから、人の行動範囲が狭められているとも考えられますが。)
交流人口という言葉が日本で流行っているように、一般的に、人々の移動により経済は循環しやすいはず。実際に、地方に住んでいる方が都市部に出ることはありませんし、ましてや旅行に行ってみよう!ということもほぼないです。このあたりは、アパルトヘイトで分断された住居区分などの名残があるのかもしれませんが。
南アフリカ国内でも地域によって、人種や言葉、文化が異なり、経済や教育の質に大きな差があるこの国で、”どのように立ち回るか”は、他の国と比べてややこしさはあるかもしれません。「南アフリカ共和国」という一つの国だけれども、実態は、違う国と思えるほど内部で差が生じている、というのが私の目で見た現状です。
南アフリカでビジネスをするならリソースを最大限活用できる
アフリカ大陸の中で、南アフリカという国にアドバンテージがあるとしたら、それはインフラが整っているということ。
- インターネット、水、電気、ガスのインフラ整備が進んでいる
- 道路が舗装されていて、国内全域に高速道路がとおっている
- 発達した港町(ダーバン、ケープタウン)があり、大きな倉庫を持つ
アフリカ全域で展開していくことを考えた時に、『”南アフリカ”というアフリカにおけるブランド力』も、メリットして考えることができると思います。事実、南部アフリカ(ジンバブエ、ザンビア、ナミビア、ボツワナ)では、南ア資本の商業施設が多く影響力は大きいです。
南アフリカのどこにビジネスチャンスがあるのか、という点
家電や食品、衣類のほとんどものは中国や韓国からの輸入、あるいは南ア自国生産。日本メーカーで高いシェアを持っているのは、ぱっと目につくところで自動車業界。あとは、お寿司。
アフリカの中でも多くの日本企業が進出している南アフリカで、大きなシェアを得られていないのは理由があると思っていますし、ここ南アフリカで現地の社会と交わっていくには、いくつかコツが必要とも思っています。
南アフリカでビジネスをするとしたら、意識すべき点は、コミュニティ。人々によりそった支援・ビジネスが不可欠、そう感じています。現地人との深い連携なしでは、ビジネスは成り立たないと思います。そして、そのためには現地人の胸元に飛び込む勢いが必要。
南アフリカが期待するものと、日本が期待するものをコネクトする。いわゆるWin-Winの関係になれるように。そこに自分のやりたいことも掛け合わせていきたい、と私は考えています。
南アフリカ×日本×ジブン。ビジネスとして、なにをしていくか。
以下、南アフリカ、日本が期待すること(+自分のやりたいこと)を簡単にまとめてみました。
経済的な面で生活水準をあげたい
技術、教育の質をあげたい
インターネットを活用したビジネスを構築したい
先進国で職業経験を積む
高い水準の教育を受ける
娯楽施設が少ない(増やしたい)
アフリカで市場を開拓していきたい
将来を見据えたアフリカでのインターン・アフリカ経験
アフリカと連携しグローバル化の一助としたい
南アフリカ・日本相互の人材紹介とインターン受け入れ
南アフリカに進出したい企業をサポート
ICTを活用した南アフリカ地方部への支援
アフリカと日本の文化をエクスチェンジ、日本の娯楽をアフリカへ
ざーっと並べてみましたが、すでに多くの人が容易に考えることができた内容だと思っています。ただ、実際にやってみたという人は少ないはず。そして、成功するかどうかわからない世界。
うまくいくかどうか….という不安はなきしもあらずですが、楽しんでやっていくことで、見てくれる人や応援してくれる人はついてきてくれるのでは、とも思っています(むしろ、応援してください…!)。
今でこそ『日本がアフリカを支援している』というイメージは強いですが、日本は少子高齢化、製造業の衰退など先は明るくない状況です。一方で、人口増加、経済成長が期待されるアフリカ。長い目でみたときに、いつか日本を支えてくれるときがやってくるのではないかと、そう思っています。
ちなみに「自分のやりたいこと」であげた”文化”というのは、あまりにも日本の認知が低いということ。日本のプレゼンスは「日本は中国の一部だよね?」という程度。まずは、日本の文化を発信しながら、南アフリカ人たちに日本に関心を持ってもらうことが目的です。全員ではなくても、日本に対して興味・関心をもってくれるひとを少しでも生み出すことが大事です。
考えるだけでは何もはじまらない。『まずはやってみる』をモットーに挑戦していきます。
達成するまでそれは不可能に見える
It always seems impossible until it’s done南アフリカ共和国・ネルソン・マンデラ元大統領