南アフリカにいます、きたむ(wakajps)です。
日課として南アフリカのメディアニュースをチェックしているのですが、頻繁に取り上げられているトピックがあります。
そのトピックとは、「レイシスト(人種主義者)による人種差別用語の発言」。
直近でも、Twitter上で「K-Wordを使った白人の投稿が炎上」する騒ぎになり、各Webメディア上で話題になりました。
もともとアパルトヘイト政策がおこなわれていた南アフリカは、国民の人種意識が強い国の一つだと思います。
実は私もこのニュースが話題になるまで、この”K-word”のことは、はっきりとわかっていませんでした。
あまり日本人には馴染みのない言葉である「”K-word”とは何か?」をこの記事で考えてみたいと思います。
南アフリカで用いられる人種差別用語”K-Word”とは?

K-wordとは、カフィア(Kaffir)という言葉の代わりに使われている言葉。
(koelies, hotnotなども同義で、N-wordとされるニガー(Nigger)と似たようなもの)
南アフリカでは、この言葉は、南アフリカの原住民を指すために緩やかに使用されていた。 しかし、アパルトヘイト制度が確立された1948年以降、軽蔑的な言葉として採用された。
SNS上で”K-word”によって炎上した事例

私が南アフリカで普段生活している中では、ほとんど見かけません。
しかし、SNSをはじめとするインターネット上では画像や動画とともに拡散されているのを頻繁にみかけます。
拡散されると、Webメディアで取り上げられさらに目につくようになります。
直近で大きな騒ぎになったのは、以下の事例。
Racism Alert] we are looking for this white boy. Anyone who knows him, his name and where he is based, please DM me… pic.twitter.com/qqe6AngDyY
— Mbuyiseni Ndlozi (@MbuyiseniNdlozi) 2018年8月21日
この動画の中で白人男性が話をしている内容は以下のとおり。
“Let me give you a weather forecast here: Blue skies‚ beautiful day‚ amazing sea and not one k****r in sight. F***ing heaven on earth.”
ここの天気はこんな感じで…青い空、めっちゃいい日、綺麗な海、そして、 k****rが一人もいない。地球上の天国かよ!
問題となっているのは、この動画の中で話をしている白人男性。
一方で、このツイートをしているのは、Economic Freedom Fightersの中でも強い発言力を持つ女性。南アフリカ人(黒人系)のインフルエンサーの一人。
投稿では、このようにコメントしています。
Racism Alert] we are looking for this white boy. Anyone who knows him, his name and where he is based, please DM me…
【人種差別的な内容を含みます】私たちはこの白人男性を探しています。彼を知っている人は、彼の名前、住んでいる場所を私までダイレクトメッセージを送ってください。
そして、だんだんと名前、職業などが特定されていきます。
白人男性の勤務先として挙げられたナイキのストアがクローズする自体に。
Nike must just issue a statement pic.twitter.com/NhoX9WY43X
— Julius Sello Malema (@Julius_S_Malema) 2018年8月22日
また、レイシストが投稿をブロックしようとしたことで、さらに過熱していきます。
Racists tried to stop us from pinning down one of their own #AdamCatsavelos. They tried to get my account blocked. But they failed! pic.twitter.com/Q8YT06D9j1
— Mbuyiseni Ndlozi (@MbuyiseniNdlozi) 2018年8月22日
この最中、別の白人男性からこのような問いかけも。
White responses on #AdamCatzavelos issue :
– What about Malema?
– What about black racists?
– Not all white people are racist.
– What about the farm murders?
– Apartheid is in the past.— Wesley Fester (@wesleyfestersa) 2018年8月22日
レインボーネーションを掲げる南アフリカ。水面下では?

普段の生活では、見聞きすることはないですが、SNS上では話題になりやすいこの人種差別的な話題。
逆にいえば、普段の社会の中で言うことができない本音が、SNSでは映し出されているのかもしれません。
敏感な人が多いぶん、炎上してしまえば、社会的に抹殺されてしまう可能性も多いにあります。
「アパルトヘイトがあった南アフリカだからこんなに敏感なのか…?」とも思いましたが、移民を受け入れている国では、このようなことは一般的にあるようです。
一概にアパルトヘイトが理由で、ということも言えないのかもしれません。
“K-word”の存在を頭の隅っこにいれておく

韓国人男性が黒人に対して、韓国語で「ニダ」と伝えたところ、差別的な表現と受け止められ、暴力を振るわれたという事件を聞いたことがあります。
発言した本人は差別意識を持たなくとも、聞き間違いであっても、人に怒りをあたえてしまったというこのケース。
観光客でもうっかりと発言をしてしまわないように、気を付ける必要があるかもしれません。
そういった言葉が存在していることは、頭の片隅に置いておくと良いと思います。
個人的な考えとして、「聞き間違えられてしまう可能性がある場合は、他の言葉を選ぶなど工夫してみる」、こういった意識を持ち合わせておくはごく普通に大事なのでは、と思っています。
同じように、日本でも「相手を傷つけないようにする言葉選び」は、大事であるはずだから。
今日はネルソン・マンデラ元大統領の誕生日で、今年でちょうど生誕100年。
“生まれたときから、肌の色や育ち、宗教で他人を憎む人などいない。人は憎むことを学ぶのだ。もし憎しみを学べるのなら、愛を教えることもできる。愛は、憎しみに比べ、より自然に人間の心にとどく – ネルソン・マンデラ” pic.twitter.com/aWAzTHeDUL
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) 2018年7月18日
“生まれたときから、肌の色や育ち、宗教で他人を憎む人などいない。人は憎むことを学ぶのだ。もし憎しみを学べるのなら、愛を教えることもできる。愛は、憎しみに比べ、より自然に人間の心にとどく”
ネルソン・マンデラ
