南アフリカ共和国在住のきたむ(wakajps)です。
話題になっている映画『ブラックパンサー』を近所の映画館で観てきました。
南アフリカ在住者の視点で、ブラックパンサーを感想や考察など交えてレビューしていきます。ネタバレありです。
#ブラックパンサー 観てきた。『ファッ!?聞き覚えがある!?』と思ったらワカンダの言語は馴染みのあるコサ語だった。ソト族やズールー族っぽい衣装も入ってて南ア要素をたのしめた。シアターは半分近く埋まってたけど白人、インド系の人しかいなかった。これは少し意外。 pic.twitter.com/gUB7R6Dj0J
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) 2018年4月15日
映画『ブラック・パンサー』のあらすじ・ストーリーは?

アフリカの秘境に位置する小国ワカンダ。
この高度な科学技術を誇る超文明国で、先代ティ・チャカに代わり、その息子ティ・チャラが新国王に即位した。彼の使命とは王として国を治めながら、漆黒のスーツに身を包んだ闇のヒーロー「ブラックパンサー」として希少鉱石ヴィブラニウムを守ることだった。
ダイヤモンド以上の硬度を持ち、ウラン以上のエネルギーを放出するヴィブラニウムによってワカンダは他国を圧倒する科学技術を手に入れた反面、表向きは発展途上国として孤立主義を採り、他のアフリカ諸国が白人によって征服された中でも500年に渡って平和と独立を保つことができた。
だが、世界のパワーバランスを変えてしまうほどの価値があるこの地下資源の秘密が知れるとワカンダも他国の攻撃を受ける恐れがある。ワカンダ国王は代々、ヴィブラニウムの秘密を守るためブラックパンサーとして活動していた。
しかし、ヘルムート・ジモが起こした爆破テロによってチャカの死とそれに伴うアベンジャーズの内乱にティ・チャラがブラックパンサーのスーツを着て参加したため、ブラックパンサーの存在を世界に知らしめてしまうことになり、ワカンダは大きな危機が迫っていた。
映画『ブラック・パンサー』のトレーラー・予告編
映画『ブラック・パンサー』の監督、キャスト・俳優、吹き替え版の声優は?
キャラクター | 俳優 | 声 |
ティ・チャラ / ブラックパンサー | チャドウィック・ボーズマン | 田村真 |
エリック・“キルモンガー”・スティーヴンス / ウンジャダカ | マイケル・B・ジョーダン | 津田健次郎 |
ナキア | ルピタ・ニョンゴ | 皆川純子 |
オコエ | ダナイ・グリラ | 斎賀みつき |
エヴェレット・ロス | マーティン・フリーマン | 森川智之 |
ウカビ | ダニエル・カルーヤ | 中井和哉 |
シュリ | レティーシャ・ライト | 百田夏菜子 |
エムバク | ウィンストン・デューク | 木村昴 |
ラモンダ | アンジェラ・バセット | 幸田直子 |
ズリ | フォレスト・ウィテカー | 玄田哲章 |
ユリシーズ・クロウ / クロウ | アンディ・サーキス | 広田みのる |
アヨ | フローレンス・カサンバ | 織部ゆかり |
ティ・チャカ | ジョン・カニ | 佐々木敏 |
ウンジョブ | スターリング・K・ブラウン | 遠藤大智 |
バッキー・バーンズ | セバスチャン・スタン | 白石充 |
映画『ブラック・パンサー』のレビュー・感想
全体的な感想としては、星5つのうち星4!
アフリカらしい自然もありつつ、超発展的な都市を持つワカンダ王国。
UFOのような飛行船を持っていて、しかも近代的な武器を持っているのに『サイに乗っちゃう!?』という場面も。
アフリカ在住者からすれば『??』と正直思いましたが、割り切って観てしまえばこれはこれでアリかなぁ、と。
見どころは、なんといっても迫力のある戦闘シーン。俳優たちが槍や剣を持って格闘するシーンは、『かなり練習されたんだろうなぁ』と思うほど。次々と激しいアクションが繰り出されていくので、瞬きしている暇はなかったですね。
個人的なおすすめの戦闘シーンは、キルモンガー側についた兵隊と、オコエ率いる親衛隊との戦闘シーン。親衛隊のアクロバティックな戦闘が見逃せません。それに加勢するシュリとナキアの特殊な武器にも注目ですね。その武器にはふんだんにCGが使われていて、二人がブラックパンサースーツをまとったキルモンガ―に立ち向かっていくシーンは必見です。
ワカンダ王国で着ている衣装や言語に違和感・・・・!?
アフリカという一つの国に見えてしまっているような…アフリカ大陸には、厳密には54カ国からなる国。それぞれ使用している言語や文化は、まったく違うのです(同じ国もあります)。
ワカンダ王国の衣装について
映画では、ケニア・マサイ族の衣装を改良したような衣装や、南アフリカ・ズールー族の衣装によく似た衣装、レソトのソト族のような衣装を確認することができました。
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同じアフリカといえど、東アフリカのケニア、南部アフリカの南アフリカ共和国、レソトは、位置的にかなり異なりますし、衣装も大きく異なります。
それが、ワカンダ王国では一つの国で様々な(現存する国の衣装に似た)衣装を着ている、これが違和感を感じた点でした。この違和感は『悪い!』というものではなく、単に”違和感”です。この違和感をたのしめた感じですね。

ワカンダ語は、現存するコサ語。クリック音と呼ばれる独特の発音を持つ言語。
アフリカで使用されている言語は、数千言語は超えているのではないでしょうか。
ブラックパンサーの舞台となるワカンダ王国で使用されている言語は、コサ語でした。
私にとっては、普段なじみのある言語だったので、聞いた瞬間『ファッ!?』となりつつ、すぐにコサ語だとわかり嬉しい気持ちになりました。笑
コサ語(Xhosa)は、南アフリカ共和国の公用語11言語のうちのひとつで、主にイースターン・ケープ州、ウェスターン・ケープ州で使われている言語です。有名なネルソン・マンデラ元大統領の母語でもあります。
コサ語の特徴は、クリック音と呼ばれる舌打ちのような独特な発音を持っている、ということ。コサ語はズールー語と互換性があり、ズールー語も同じようにクリック音の発音を持っています。
クリック音といっても、舌打ち音のような舌打音、ポコンッというような吸着音まで、様々な音の種類があり、これを習得するのは相当ムズカシイはず。これを習得した役者さん、まじですごい!と感動しながら観ていました。

アフリカ独特の英語訛りも再現されていて、アフリカ在住の私にとっては感動ものでした。
調べてみたら、実際に南アフリカのケープタウンに出向いて英語のアクセントと、コサ語を習ったそうですね。役作り、さすがです…!
How did the King of Wakanda get his accent? #BlackPanther pic.twitter.com/iews5Vq0cI
— CNET (@CNET) 2018年2月7日
ブラックパンサーのロケ地、撮影場所はどこ?
大自然や谷、大きな滝などの景色が印象的だったブラックパンサー。撮影場所はどこだったのか?
大きな滝のシーンは、南米のアルゼンチンとブラジルの国境のイグアズ(Iguazu)というところで撮られたそうです。
飛行船で移動しているときに映し出されたパノラマの風景、ウガンダ、ザンビア、南アフリカ共和国で撮影されました。やっぱりアフリカの国は入っていましたね。
ブラックパンサー、ツイッター民の反応は!?
日本人の反応
マーベル作品をどこか「所詮ヒーロー映画でしょ」とちゃんと観たことのなかった私は、駆け込みで観た「ブラック・パンサー」のあまりの面白さに衝撃を受けました。アフリカの伝統とハイテク、ロマンがありすぎる…!興奮冷めやらぬうちにメモかきおこし。#ブラックパンサー pic.twitter.com/ujIEZSVwOC
— なかざわとも (@mow0122) 2018年4月13日
キルモンガーとティチャラ練習2#ブラックパンサー #BlackPanther #Killmonger #TChalla pic.twitter.com/0GVPuIbSXa
— mu (@gypml) 2018年4月14日
南アフリカ人の反応
this is how we left the theater #BlackPanther pic.twitter.com/wEWsDVjUaE
— not nice (@obvszee) 2018年2月16日
There is something beautiful about being an African in Africa at this moment. We are coming for everything @mxolisiluke you came through for me in a major way. Look at how @ezakwamthaniya accessorized me. @makeupbyminkzz pulled up again #blackpanther #blackpantherpremiere pic.twitter.com/KoCDHYbzQg
— Bongekile simelane (@BABESWODUMO) 2018年2月16日
ブラックパンサーで使用されていた楽曲は?サウンドトラックは?
ブラックパンサーで使用されていたエンディング楽曲は、南アフリカ共和国の人気ラッパーSjava氏が手掛けたもの。曲名は『All the Stars』。
https://t.co/v1K8meoDX8 pic.twitter.com/m1uqjPJimj
— Kendrick Lamar (@kendricklamar) 2018年2月9日
映画と音楽が見事にマッチしていましたね。これを機に南アフリカ音楽に目覚めてしまう人もいたりして…!?
さいごに
アフリカ在住として、違和感を感じたものの映画として架空のものとして観れば楽しめる内容でした。むしろ、アフリカの文化、服、言語などをあらかじめ知っておくとより一層楽しめる映画かなぁとも。
次回『アベンジャーズ』の出演も決まっているなど、まだまだ目が離せないブラックパンサー。
