【アフリカ】現地NGOで感じるマイクロファイナンスの問題点・課題とは?

【アフリカ】現地NGOで感じるマイクロファイナンスの問題点・課題とは?

きたむ(wakajps)です。

南アフリカ共和国の現地NGOで活動しています。現地NGOの事業は、コミュニティ開発とマイクロファイナンス。マイクロファイナンスはバングラデシュのグラミン銀行に基づいた手法です。

マイクロファイナンスやマイクロクレジットという言葉は、以前に比べるとだいぶ浸透してきたように思います。グラミン銀行を筆頭に貧困層向けの小規模ローンシステムとして有名ですね。

 

果てしてマイクロファイナンスはメリットばかりなのか?

 

現場で活動していて必ずしも、そうとは限らない、と感じています。

マイクロファイナンスの問題点・課題とは?

マイクロファイナンスの問題点・課題とは?

以下のようにマイクロファイナンスの問題点と課題を定義しました。

問題点
  • 収益性が低い=顧客の”数”が必要
  • 債務者がお金を中心とした思考に陥る懸念
  • 単なる金融サービスであってはならない

それぞれの問題点・課題を詳しく解説していきます。

収益性が低い=顧客の”数”が必要

マイクロファイナンスの問題点、収益性が低い=顧客の"数"が必要

マイクロファイナンスは、小規模金融サービスのため貸出額は、低く設定されています。これに伴って一人あたりから回収できる利益は決して多くありません。

このため、マイクロファイナンスに従事する担当者が受け持つ顧客の数が重要。要は、顧客の数を増やす必要が生じます。

一定の利益を確保できなければ、マイクロファイナンス事業の存続は厳しくなってきますので、担当者には、新しい顧客を確保していくようノルマが課されていくことになります。

また、マイクロファイナンスの対象となる地域は、「その地域にコミュニティがあるかどうか」、「一定の人数が集まっているか」が指標となります。

担当者のノルマ、対象地域の選定基準でみていくと、本当に支援が必要となりそうな小さい集落は後回しになっていってしまう傾向があります。

弱者に寄り添った支援をおこないつつも、事業を成り立たせるために、地域を選ばなくてはならないのです。

債務者がお金を中心とした思考に陥る懸念

債務者がお金を中心とした思考に陥る懸念

当然ですが、お金を借りれば返済義務が生じます。

マイクロファイナンスを利用しなくとも一定の水準で生活ができていた層にとって、お金の収支管理、返済期限の意識など、これまで深く考える必要がなかったことを考えていかねばなりません。

もちろん正確にお金を管理をすることは大事なこと。お金のことを考えることが善か悪か、一概には判断しずらいです。

社会貢献性が高いといわれるマイクロファイナンスでも、「利用することで村人に幸せは生まれるのか?」をきちんと考えられているか、「お金がない=幸せではない」という発想になってしまっていないか?

もちろんお金があれば幸せ、子供を学校に行かせることができる、裕福な生活をすることができるようになる、とお金を必要としている人はいるでしょう。

「村人にとっての幸せとは何か?」という問いを考えなければならないというお話です。

単なる金融サービスであってはならない

単なる金融サービスであってはならない

マイクロファイナンスというと、「お金を貸し出す仕組み」というイメージが強いですが、「融資を利用して貧困からの脱却を目指す」という目的が根底にあります。

これからわかるように単にお金をお渡して「はい、これで頑張ってね!」というのは、目的に沿っていません。単なるお金の貸し出しではないからです。

どうやったらビジネスをつくっていったらよいか、どのように家計管理したらよいか、村人に寄り添って一緒に考える必要があります。マイクロファイナンスの業務のうち、最も時間をかけるのはポイントはそこ。

マイクロファイナンスの業務の中でも、お金を貸し借りするフローにかける割合は全体の業務のうちのわずかです。多くは村人の能力開発、モチベーションを上げることに時間をかきます。

これらがマイクロファイナンスの幹となる部分なので、この根底の目的を見失わない必要があります。

マイクロファイナンスの問題点・課題を解決するための対策は?

マイクロファイナンスの問題点・課題を解決するための対策は?

お金を貸し出すことに前のめりになってしまわないことです。

お金の流れを作り出す仕組みとして、ブロックチェーンや仮想通貨と絡めた施策が注目されています。技術的な仕組みとしてそれらを構築するのはそんなに難しくないはずで、Peer-to-peerのシステムを構築できるはず。

ただ、執着するポイントは技術的な面ではなく、現場サイドでみれば、いかに村人に寄り添った支援をできるかが鍵。

マイクロファイナンスへの投資も活発におこなわれていますが、キーになるのは、現場で村人に寄り添った支援活動がおこなわれているか。ぜひここに注目していただきたいです。

それが持続可能なマイクロファイナンスの姿であり、本来の姿だと思います。

 

以上、きたむ(wakajps)でした。

南アフリカのマイクロファイナンスの現場
アフリカのマイクロファイナンスの視点からグラミン銀行の日本進出を考察グラミン銀行が日本に進出する(共同通信)、というニュースが目につきました。日本の貧困層向けにマイクロファイナンス(マイクロクレジット)が導入されるという内容です。南アフリカ共和国では、既にグラミン銀行の手法をインスパイアした『マイクロファイナンス=小規模ローン=貧者の銀行』がおこなわれています。...
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アフリカではたらくフリースタイルジャパニーズ |三度の飯と写真|87年生の伊豆下田育ち→大学職員人事→ 南ア現地NGOでICT・マイクロファイナンスを軸に活動中|キリマンジャロ登頂|スマホ歴12年|旅行14カ国|仕事7カ国|<プロフィール詳細>

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