南アフリカ在住のきたむ(wakajps)です。
南アフリカと聞いて、どんなことをイメージしますか?
Googleで検索すると、ヨハネスブルグの治安の悪さを取り上げる記事が多く出てくるので、いわゆるスラム街のようなダークな雰囲気をイメージする方は多いのでは。
こちらの記事(現在の南アフリカ・ヨハネスブルグの治安・危険度を徹底的に考察)で、ヨハネスブルグの治安についてまとめました。
イメージするとおり、南アフリカにタウンシップ(スラム街)といわれるような地区があるのは事実です。
私も南アフリカに来る前は、「南アフリカはスラム街のようなところばかりなのか!?」とやや不安でした。
タウンシップは現在、アパルトヘイト時代の名残で、ヨハネスブルグやケープタウン、ダーバンなど大都市の近くに点在しています。
以前から『南アフリカ共和国のリアルを見てみたい…!』という気持ちがあったので、今回、ケープタウン近郊のタウンシップツアーに参加しました。
本記事では、南アフリカのタウンシップで見たその様子を紹介していきます。
メジャーな観光地に物足りなくなってしまった方、一味違う旅行にしたい方は、ぜひ参加されてみては….!
南アフリカ・ケープタウン中心部から車で10分ほど離れたところにあるタウンシップ。観光ツアー化されているので誰でもはいれるけれど、一部写真撮影NGの場所もありました。 pic.twitter.com/ieZc3y7Q2e
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) April 12, 2018
南アフリカ・ケープタウン市内から車で10分。『Langa(ランガ)』と呼ばれるタウンシップ

ケープタウン市内の賑やかな中心地から車で10分のところにあるランガという地区。
車で向かうとケープタウンの華やかな景色とは一変した雰囲気を目にすることができます。
地図で見るとこのあたり。
Langaは、1923年に土地を追い出された黒人たちが強制的に移住させられた場所。Langaという言葉はコサ語で、「太陽」という意味を持ちます。
ランガは当初、舗装されていない状態でスタート。1927年に電力施設などが整い、正式に一つの町として成り立っていったのだそう。
メイズでできた自家製ビールを振舞ってもらった

住民の家にお邪魔したときにタウンシップ自家製のビールをごちそうに。
このビールは、メイズとミネラルウォーターを混ぜて発酵させてたものらしいですが、見た目がちょっとアレ。
家主が家の隅にあったバケツから、4リットルもあろうスチール缶の中にビールを注いでくれました。

見た目はビールとはいえないほどで、その色は薄い灰色。
ビールはなんでも大好き、食べ物の好き嫌いがない私にとっても、この味のビールは相当きつかった…!
味はフルーティー、香ばしさが混ざったようななんともいえない系のやつです。
自家製ビールの経緯

アフリカ文化に欠かせないソルガムビール(utshwala)の醸造はかつて禁止されていた。伝統的な習慣だったため、住民たちは、ビールを飲むことを禁じられていることに対抗した。
ビール醸造の禁止にもかかわらず、不法な醸造が急激に増加し、多くの警察の襲撃の後、1930年に全面禁止が解除された。市のビールホールは1945年に建設された。
タウンシップの住居。それぞれの家は番号で管理されている。

タウンシップの地区にはいって見て取れたのは、それぞれの家の扉に書かれた連なる番号。
話を聞くと、住所ではなく番号で政府に管理されているので、ということでした。
番号が消えてしまうと管理の管轄から外れてしまうのか、消えないようにいくつも番号が書いてあるのが印象的でした。

同じタウンシップの中でも家の環境レベルは異なります。
ビバリーヒルズと呼ばれている比較的条件の良い住居が並ぶエリアもありました。
この住居に引っ越すためには、10年近く待たなくてはいけないそうです。
ヤギの頭を加工するビジネスで生計をたてる住民

とおりを歩いているといくつか露店を見かけることができました。
タックショップ(Tuck shop)と呼ばれる駄菓子を売っている小さな商店もあれば、肉を焼いて売っている人も(写真撮影禁止だった)。

おじゃましたのは、ヤギの頭を食べやすいように加工をしている家庭。
その敷地にはいるとヤギの頭が並んでいてなんとも不思議な光景でした。
ちなみ、ヤギの頭では、額の部分が特においしいらしいです(勧められたけど私は食べなかったです…)。
政府から配布されたコンドームであそぶ子供たち

タウンシップを歩いていると、ピンク色の四角いものを持っている子供たちに出会いました。
うっすらと、円が浮き出ていたのですぐにわかりました、それがコンドームだということに。
このコンドームには見覚えがあって、自分が活動するNGOで配布されたものと同じものでした。
ちなみに、自分はこのコンドームを30個ぐらい所有しています(南アフリカ人の同僚から持っていけ!と強く言われた)。

まだ幼い子供たちの手にコンドームが手に渡っていることに少し驚きつつ、きちんと性教育がおこなわれていればいいけれど…と、そんなことを思いながら通り過ぎました。
南アフリカ・ケープタウン近郊のタウンシップにて。政府から配布された大量のコンドームをおもちゃがわりにして遊ぶ子供たち。きちんと性教育がおこなわれていれば良いのですが… pic.twitter.com/VvBx4VtLYI
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) March 27, 2018
ヨーヨーのように加工して遊んでいる子供たちの姿も。
自分も中学生ぐらいのとき、コンドームで水風船を作ったなぁと、少し懐かしい気持ちに(照)。
タウンシップツアーの申し込みの仕方・行き方

今回、私が参加したツアーは、解説ガイドつきでケープタウン市内から参加が可能なものでした。
あらかじめ、現地ツアーが紹介されているビアター(Viator)というWebサイトから予約するのがおすすめです!
金額を確認(レートにより変動)の上、空いている日程で申し込みすれば予約完了。
クレジットカードで事前決済ができます。ケープタウン市内の宿・ホテルの前までの送迎がついているのも嬉しいですね。
ケープタウンといえば、喜望峰やテーブルマウンテン、ウォーターフロント、ボルダーズビーチなど有名な観光地がたくさんあります。
メジャーな観光地に物足りなくなってしまった方、一味違う旅行にしたい方はぜひ参加されてみては….!
南アフリカの都市部ケープタウン、ヨハネスブルグは、先進国並みに発展しているのは間違いないけれど、人口の半分以上は貧困とたたかっている人々たちなので、南アに来て『南アは発展していてすごかった』の感想で終わってほしくないと思ってる。できれば大半を占める田舎の方も併せて見てもらいたい。
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) March 6, 2018
南アフリカ情報のあれこれ
観光・旅行の基本情報、よくいただくご質問をまとめました。
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