500 配属先活動

青年海外協力隊 – 赴任して三か月。第1号活動報告書を公開します

青年海外協力隊第一号報告書

青年海外協力隊として南アフリカ共和国で活動している、きたむ(wakajps)です。

赴任してから三か月が経ち、第1号報告書が完成したので、公開したいと思います。

なお、私は『PCインストラクター』の職種で活動しています。

青年海外協力隊(海外ボランティア)の活動報告書とは?

赴任後、青年海外協力隊がJICAへの提出が義務付けられている報告書です。第1号~第5号まであるので、合計で5回作成することになっています。

提出された報告書は、JICA地球ひろばで閲覧できるようになっています。

青年海外協力隊が途上国でどういった活動をしているか、応募を考えている方のお役に立てれば幸いです。このブログでも活動の様子を書いてきましたが、この報告書をとある協力隊員の『体験談』として見てもらっても良いかもしれません。

青年海外協力隊 第一号報告書要約

農村地域で暮らす女性の自立支援を目的として設立されたThe WDB Trust(NGO)で活動をしています。組織は、The WDB TrustとWDB Investment Holdingsで構成され、私の活動先であるThe WDB Trustは、コミュニティ開発支援事業、マイクロファイナンス事業、能力開発支援事業の3つの事業を主におこなっています。私を含むIT職のメンバーは、技術職としてそれぞれの事業の垣根を越えて、ITの利活用の推進、各種システム・ネットワークの運用・保守をおこなっています。これまで4代に渡ってコンピュータ技術職の隊員が活動しており、基礎的なICT環境は整備されています。

配属先について、配属までの間に組織・事業の編成が行われ、私が配属されるブランチに変更がありました。加えて、私の代よりPCインストラクターに職種変更となり、要望調査票における要請内容は、ICT教育指導、ICT機器のメンテナンス、SNSを活用した広報活動となっていましたが、マイクロファイナンス事業に関わる業務効率化のためのアプリケーションの導入が進められており、アプリケーションの導入に向けた準備・運用をおこなう働きが現在求められています。それに伴い、アプリケーションのエンドユーザーとなる各ブランチのスタッフを対象としたICTスキル向上支援も並行して求められています。

これまでの活動として、スタッフが使用するパソコンや各ブランチに設置されているサーバーのトラブル対応、ICT技術向上を目的としたワークショップの実施、農村部へのフィールド調査への同行、事務処理のフロー等の確認をおこなっています。加えて、これまでIT部門のマネージャーとして勤務していたOBが組織を離れることに伴い、業務を引き継ぐ準備を進めている状況です。

マイクロファイナンス事業、コミュニティ開発事業の業務現場でおこなわれている業務の確認のため、これまで7か所の村に同行し、ミーティング、ワークショップの様子を視察しました。両事業に対して、業務効率化・新たな手法等の視点での助言も期待されています。

活動地域および配属先の概要

ムトゥバトゥバのマーケット

(1)活動地域概要、抱える問題

KwaZulu-Natal州の東部に位置するMtubatubaで活動しています。首都Pretoriaからは、南東に約600km向かったところにあります。地方都市のRichards Bayから東に約55km向かった場所に位置し、観光地であるSt.LuciaやiMfoloziへの玄関口として利用されています。周辺には小さな集落が点在しており、農村地域に住む人々の生活水準の向上が課題として挙げられています。

(2)活動先の事業内容、組織体制(人員配置状況)

組織は、The WDB Trust とWDB Investment Holdingsで構成されています。

私の活動先であるThe WDB Trust(Women’s Development Businesse)では、主に農村地域の女性を対象に、貧困からの脱却・自立支援を目的として、マイクロファイナンス事業(Siyakhula)、コミュニティ開発支援事業(Zenzele)、能力開発支援事業(Training Academy)が展開されています。WDB Investment Holdingsでは、より包括的な視点で、女性の活躍推進を目的とした投資事業がおこなわれています。

Johannesburgにある本部と、地方(Limpopo州、Mpumalanga州、KwaZulu-Natal州)に計12のブランチがあり、各ブランチの担当範囲や事業に応じてスタッフが配置されています。全体のスタッフ数は、約150名です。人事、経理、総務、役員秘書等の経営管理部門は、本部に集約されています。経営の中枢には外部のコンサルタントやアナリストを委嘱する等、戦略的に事業を推進していく体制が整えられている印象です。

(3)配属先の援助受け入れ実績

2007年からJOCVの受け入れが始まり、これまで4代にわたってコンピュータ技術職の隊員を受け入れた実績があります。そのうち、1人の隊員については、JOCVとしての任期満了後も継続して組織に所属しており、IT部門のマネジャーとして勤務した実績があります。2015年には、短期ボランティアが私の活動するMtubatubaで活動した実績があり、組織のボランティア受け入れ体制と理解は十分にあるように思います。

ボランティアが所属する部局の概要

南アフリカでのITワークショップ

(1)ボランティアが所属する部局の事業内容及び課題

私の活動するMtubatubaでは、マイクロファイナンス事業、コミュニティ開発支援事業が展開されています。マイクロファイナンス事業では、対象となるクライアントの調査、自立支援を目的としたワークショップの実施、支払・入金等の経理管理、延滞等への対応がおこなわれています。コミュニティ開発支援事業では、集落への訪問・ヒアリングを通して、行政や地域と連携し生活水準向上に向けた取り組みをおこなっています。

マイクロファイナンスを利用する顧客数が増加していることに伴い、事務処理等の日常業務が煩雑化していることが課題として挙げられています。

(2)同僚の人数及び技術レベル

私の活動するMtubatubaでは、Area Manager(1名)、Center Manager(6名)、Facilitator(5名)、IT Field Support(1名)、Administrator(1名)の計14名のスタッフが勤務しています。各事業の担当における専門性は保たれているように思います。ICTスキルの面では、ルーティン業務で使用するMicrosoft Office Word, Excel、共有フォルダ、プリンター等の機器の基礎的な知識・使用方法は習得しているように思います。ICTに関するトラブルは、一定のレベルであれば担当のICTスタッフが対応しており、日常的な業務については、滞りなく遂行されています。ICTスタッフで対応が困難な場合は、適宜助言をおこなっています。ICTスタッフの技術レベルは決して高いレベルではないため、技術的な継承が必要と考えています。

各ブランチにおけるスタッフの知識・スキルレベルに差があるため、アプリケーションの導入を控えていることを鑑みると、一定の水準までスキルを向上させる必要性が高いと認識しています。課題と思われる点については、適宜本部の幹部に報告し、一緒に対応を検討しています。

配属先のニーズ

南アフリカ青年海外協力隊のワークショップの様子

(1)ボランティアに対して期待している内容

マイクロファイナンス事業で顧客・返済状況を管理するためのアプリケーションの導入が進められており、導入に向けた準備・運用をおこなう働きが現在求められています。適切なフローで動作されているか検証するにあたって、マイクロファイナンスの仕組みと日常業務のフローから理解する必要があったため、自分自身でも調べつつ、担当する同僚の協力を仰いで確認する等の工夫をしています。アプリケーションのエンドユーザーとなる各ブランチのスタッフを対象としたICTスキル向上支援も並行して求められています。

その他に、マイクロファイナンス事業、コミュニティ開発事業に対して、業務効率化やマーケティング手法等の視点で、同僚への助言が期待されています。

(2)当初要請時からのニーズの変更点

先代までコンピュータ技術職の隊員が活動していた影響があるかもしれませんが、アプリケーション内のデータベース整理、動作確認テスト等、要請内容より高度かつ多岐に渡って活動が求められている印象です。

これまでIT部門のマネージャーとして勤務していたOBが、6月に組織を離れることに伴い、業務を引き継ぐ準備を進めています。

活動計画準備状況

南アフリカ青年海外協力隊活動の様子

これまでの活動として、本社でのアプリケーションデータオペレーション、スタッフが使用するパソコンや各ブランチに設置されているサーバーのトラブル対応、ICT技術・知識の向上を目的としたワークショップの実施任地周辺へのフィールド調査への同行、事務処理のフロー等の確認をおこないました。

今後の見通しとして、マイクロファイナンス事業のアプリケーション導入が喫緊の課題となっています。導入にあたって影響する範囲が広いため、システム開発会社(インド系)、ビジネスコンサルタント、ビジネスアナリスト、幹部(CEO、マネージャー)、ICTスタッフと活動計画について調整をしています。それぞれ勤務する場所が物理的に離れているので、E-mailやSkypeで意見交換や会議がおこなわれています。

OBの業務引き継ぎに関しては、本部のITスタッフメンバーと分担して引き継ぎを受ける予定で、今後、本部の関係するスタッフと連携して業務を遂行していく必要があります。退職の発表からまだ間もないため、具体的な業務の割り振り、スケジュールの調整等はこれからおこなっていく予定です。

受入国の印象

南アフリカのマイクロファイナンスの現場(センターミーティングの様子)

派遣されてからこれまで、都市部であるPretoria, Johannesburgと、地方のMtubatubaで滞在しました。Pretoria, Johannesburg滞在時は、ヨーロッパを感じさせるような街の景観、日本と大きく変わらない物価からも、発展途上国とは思えない印象を受けていました。一方で、私の活動するMtubatubaは、イメージしていた”アフリカ”に近い景観、雰囲気が残っており、赴任当初は、同じ国であるはずが別の国に来たような印象を受けました。活動を通して、社会問題として提起されている都市と地方における経済的格差を目のあたりにし、南アフリカ共和国が持つ課題の一つを自分の目で認識することができたように思います。

南アフリカ共和国は、多民族国家であり、また歴史的な背景から、公用語として11言語が使用されています。主に地方によって母語が異なり、私の活動する地域ではズールー語が使用されています。英語をはじめとする他の言語を話せる方も多く、他言語を受け入れる土壌がある印象で、私から日本語を学ぼうと同僚から声をかけられる場面も多くあります。私自身もズールー語を同僚に教えてもらいながら少しずつ学んでいます。ズールー語を話すことで、同僚から喜んでもらえるので、言語を覚えることで距離が縮まっているようにも感じています。

まとめ

南アフリカの貧困地域の子供

以上、活動報告書から抜粋してみました。

『報告書』と聞くとうぎゃっとなりがちですが、色々と書き出してみると頭の中の整理やこれまでをふりかえる良い機会になったように思います。生活面を含めた3か月のふりかえりは、こちらから。

第2号報告書からその後1年半の活動に向けた活動計画を作成し、提出することになります。情報収集、同僚に相談しつつ、活動計画策定に向けて動き出していきたいと思います。

青年海外協力隊第二号報告書
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青年海外協力隊のあれこれ

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アフリカではたらくフリースタイルジャパニーズ |三度の飯と写真|87年生の伊豆下田育ち→大学職員人事→ 南ア現地NGOでICT・マイクロファイナンスを軸に活動中|キリマンジャロ登頂|スマホ歴12年|旅行14カ国|仕事7カ国|<プロフィール詳細>




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