キリマンジャロ登山を無事に達成した、きたむ(wakajps)です。
2017年12月25日~30日(5泊6日)に、タンザニアのキリマンジャロ登山に挑戦し、無事に登頂しました!
と、いうわけで、
本記事では、「確実に無事に登頂できるように」を念頭に、私が実際におこなったキリマンジャロ登山に向けた準備を綴っていきます。
キリマンジャロ登山(5,895m)まで二か月を切りました。
キリマンジャロは、”誰でも登れる山ではなくて誰でも挑戦することのできる山”。やばいと思ったら途中で引き返す勇気を持ちたい。頂上付近では、寒さでバッテリーの消費が激しくなるので懐に入れて暖めておく。 pic.twitter.com/ciV2UjSNOl
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) 2017年10月30日
キリマンジャロ登山中の様子を記録した登山記(ブログ)は、以下の記事から読めます。

アフリカ大陸最高峰、キリマンジャロとは?標高は?

キリマンジャロ(スワヒリ語: Kilimanjaro) はタンザニア北東部にある山で、標高5,895m。アフリカ大陸の最高峰。山域がキリマンジャロ国立公園に指定されている。山脈に属さない独立峰では世界で最も高い。
七大陸最高峰の中では登山が容易な山である。傾斜も緩く、登山ルートも整備され、登山家のような高度な技術は必要ない。このため世界中から多くの登山が訪れ、多いときには月に1,000人近くが山頂を目指している。2004年には年間35000人が登山を試みた[37]。しかし、標高5000mを超える高峰であり、高山病や事故により、毎年数名の死者が出る。登山のベストシーズンは乾季に当たる12月から3月と、7月から9月となっている。
キリマンジャロはどこの国に位置する?アクセス方法・場所は?地図はこれコレ!

キリマンジャロへの行き方は、キリマンジャロ国際空港からキリマンジャロの入り口となるモシという街に行く方法が一般的です。
キリマンジャロ国際空港は、国際空港であるため、国内からだけでなく、ケニア、ルワンダ、エチオピア、オランダ、ドイツ、カタールと行き来する便があります。
日本から向かう場合のフライト費用は、東京~ドーハ~キリマンジャロで約11万円かかります。
ピーク時期等によって金額が変動しますので、あらかじめチェックしてみることをおススメします。
空港からモシ市内までは距離が離れているため、送迎バスを使うのが一般的です。後述しますが、申し込むツアーにこの送迎が含まれています。
キリマンジャロの山は、グーグルマップ(地図)で見てみるとこのあたり。タンザニアに位置しており、ケニアとの国境沿いにあります。
キリマンジャロ登山ルートはマチャメコースを選択

登山ルートは6ルートに分かれます。
特徴は以下のとおりです。コースによって、難易度が異なると言われています。
今回、二番目に人気があり、初心者向けといわれているマチャメルートを選択することにしました。
ノーザン・サーキット・ルート
日数:9日、長さ:90km。北西部山麓のロンドロッシ村(2,250m)が起点。
キリマンジャロで最も新しく開発された登山ルートである。山の北側全域を走る非常に長いルートであるため時間がかかり、利用者は非常に少ない。
北側山麓をめぐるため、ルート全体にわたって素晴らしい眺望に恵まれる。
レモショ・ルート
日数:8日(-1)、長さ:56km。西部山麓のレモショ村が起点。長い登山道のため利用者は少ない。美しい森の中を通る。
山麓を横切りバラフ・ハットへと向かう風光明媚なルートが分岐する。徐々に高度を上げていくため馴化に最適である。
マチャメ・ルート
日数:7日(-1)、長さ:49km。南西部山麓のマチャメ村(1,800m)が起点。
2番目に人気のあるルートである。美しい森の中を走るルートで、馴化にとても適している。山麓を横切りバラフ・ハットへと向かう風光明媚なルートが分岐する。別名:ウィスキー・ルート。
マラング・ルート
日数:6日(-1)、長さ:64km。南東部山麓のマラング村(1,700m)が起点。最も人気のあるルートである。4,700m地点までの長い区間は勾配がゆるやかであり、基本的な設備ももっとも整っている。美しい森林やムーアの中を走るルート。6日間の日程は馴化には程よい期間である。
ロンガイ・ルート
日数:6日、長さ:65km。北東部山麓からのルート。長い登山道で、利用者も少ない。あまり手を加えられておらず、眺めも良くなくキャンプ地も少ないが、馴化には適している。
ウンブウェ・ルート
日数:6日(-1)、長さ:37km。南部山麓のウンブウェ村(1,800m)が起点。
最も短いルートであるが、急勾配で難所が続き、登頂にはかなりの体力が必要となる。美しい森や険しい尾根を通るルート。
山麓を横切りバラフ・ハットへと向かう風光明媚なルートが分岐する。馴化には向いていない。危険なルートである。
キリマンジャロ登山のハイキングルートに関する詳しい情報は、以下の記事でまとめています。

キリマンジャロ登山中の言語は何語を使う?
キリマンジャロは東アフリカの公用語、スワヒリ語が使われているので、スワヒリ語。と思いきや現地スタッフは英語を話すことができます。
事前のツアー会社とのメールのやりとりも英語でした。
登山にやってくる欧米人への対応になれているのか、英語であれば割とスムーズにコミュニケーションをとることができました。
キリマンジャロ登山の難易度、登頂率
私の挑戦するマチャメルートの登山成功率は、7日間の日程で85%。6日間の日程で73%。
ちなみに、日本の富士山の登頂率は、50~60%と言われているそうな。
成功率の数字だけ見てしまえば、キリマンジャロのほうが成功しやすいのでは?と思ってしまいますね。ただ、この数字は挑戦する層(初心者、ベテラン)の割合で意味合いが大きく変わると思います。
キリマンジャロ登山の死亡率は?
ネガティブな話ではありますが、気になったので調べて見ました。
1年間に約10人が登山中に死亡。年間約30,000人が登山するので、死亡率は0.03%にあたる。「3,333人のうち1人は登山中に亡くなる」といった計算。
登山ルートによって難易度が異なり、一概に死亡率をいうことは難しいでしょうから、そのうえで、死亡率は0.03%、と頭の片隅に入れておくと良いと思います。
キリマンジャロ登山は現地ツアー会社へ申し込みが必須!(個人手配)

ツアー会社に申し込むことにより、一緒に登山をするポーターさんの手配、登山用品をレンタルすることができます。
ツアー会社は、日本の会社ではなく、現地のツアー会社です。
キリマンジャロ登山にあたっては、ツアー会社に申し込んでポーターさんをつけるのが必須。ポーターの役割は、荷物運び、コックさん、ガイドなどなど。
今回、いくつかの現地ツアー会社に見積もりを取り、費用と信頼感を考慮して、キリクライマーズ(Kili Climbers)というツアー会社を個人手配しました。
選定の理由、予約方法などは、以下の記事で紹介しています。

キリマンジャロ登山に関わる費用と代金・チップの内訳は?

現地ツアー会社「キリクライマーズ」を手配してかかった費用は以下のとおりです。
ツアー代金 | US$470 |
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キリマンジャロ入山料 | US$830 |
チップ代 | US$200 |
合計 | US$1,500 |
マチャメルートは、6泊7日の日程が基本なようですが、下山後の旅行の日程を考慮して一日減らしました。
ツアー費用、入山料の内訳、チップの交渉?は、以下の記事で詳しくまとめています。

現地ツアー会社「キリクライマーズ」のツアー代金に含まれているもの
- モシ(宿)からマチャメゲートの入り口までの送迎
- モシ(宿)での登山前後の宿泊
- キリマンジャロ空港までの送迎
- 日程の全ての食事
- 登山中のテント泊
- 6日間のキリマンジャロ登山ガイド料(マチャメルート)
- 入山料
- 英語でのガイド料
- ポーターをつける代金
- 酸素ボンベを含む応急処置
- 寝袋やマットレス、ダイニングテント、イスやテーブルなど(キリマンジャロサミットギアー)
キリマンジャロ登山は手ぶらでいける。ツアー会社でレンタルできるもの一覧
上の費用には登山用品(装備品)のレンタル代も含められています。
レンタルできる登山用品は以下のとおり。
- レザーブーツ、サーマルブーツ
- Gore-Tex、MicrotexまたはK-Tech Trilaminateジャケット
- Gore-Tex、MicrotexまたはK-Tech Trilaminateズボン
- フリースの上着
- フリースパンツ
- ゴアテックスのミトンまたは手袋
- フリースグローブ(ゴアテックスのミトンの内側に使用)
- サーマルグローブライナー(Gore-Texグローブのインナーとして使用)
- フリースバラクラバ
- 熱バラクラバ
- サーマルトップ
- ヒートソックス
- UVプロテクション付きサングラス
- デイパック
- ヘッドトーチ
- レインコート、ポンチョ
- ハイキングブーツ、クロストレーナー
- ショートパンツ
- トラックスーツパンツ
- Tシャツ
- 帽子
- ウールソックス
- フリースビーニー
- ウォーターボトル
- ダッフルバッグ
- ウォーキングスティック
- 寝袋(-10℃まで対応)
- マットレス
必要な装備はすべて用意されているので、手ブラで参加も可能です。
ただし、劣化しているウェア・装備品も見受けられたので、レンタル時には損傷がないか、入念にチェックしておくのがベターです。
キリマンジャロ登山の持ち物・装備品
上の『ツアー会社でレンタルできるもの』で必要なものを殆ど借りました。
他の方のブログを読み漁って『レンタル用品以外に必要な持ち物』をまとめたので列挙してみます。
- インナー長袖×3
- 速乾性Tシャツ(ユニクロのエアリズム)
- 帽子
- 汗拭きタオル
- サングラス
- 厚手の靴下×2
- ヘッドライト
- サンダル
- 日焼け止め
- 薬(高山病対策、胃腸薬)
- ビタミン剤
- リップクリーム
- バックパック(32L)
- トイレットペーパー
- ミラーレスカメラ
- 予備のバッテリー×3
- トレッキングシューズ(登山靴)
レンタル用品のリストにもあるものは『履きなれた、着慣れたものを使いたい』『直接肌に触れるものは自分のものを使いたい』という理由から持参しました。
持参した持ち物は、以下の記事でくわしくまとめています。

キリマンジャロ登山に役立つヒント

これらのヒントはツアー会社に申し込んだ後に、英語で送られてきました。
- 一日に少なくとも3~4リットルの水を飲む
- 胃の不具合を最小限に抑えるために、水フィルターと浄化薬を使用する
- エネルギーバー、ドリンクミックスなどの十分な軽食をとる
- あまり早く動かずゆっくりしたペースで歩く
- 可能な限り持ち物を軽くして、不必要なものは持ち歩かない
- ダッフルバッグやバックパックの衣類は、ねっらい雨林でぬらさないようにカバーで保護する
- リップクリームと日焼け止めは不可欠
- 吐き気や頭痛用の薬は、特に夜に使用できるようにしておく
- 高山病の症状は投薬することで、症状を軽減することができる
- 新しいブーツを使用する場合は、十分に履きなれておく
- 登山中は水筒中身の凍結を防ぐため、寒さに強い特別な水筒を使用する
- カメラやビデオカメラを持参する場合は、高所に順応させるためラップや、ビニール袋に入れない。
- サーマルグローブライナーは、サミットでのカメラハンドリングをしやすくする
キリマンジャロ登山のリスク(死亡事故・死因など)

いざ、キリマンジャロ登山!ということで、気持ちが高まっていますが、キリマンジャロ登山のリスクもおさえてくべきポイント。
- キリマンジャロ登山では、毎年死亡者(1年に2名以上)が報告されている
- 近年、虚血性心疾患や脳血管障害による山での突然死が増えている
- 死因は、高齢、喫煙習慣、高血圧、糖尿病、肥満、心臓疾患も挙げられる
- 転落、滑落といったリスクもあるので十分に気を付ける
- 登山数か月前から心肺機能や筋力を維持・向上させておく
- 寒い時期の登山は、酸素の消費量を増し高山病の危険が高くなる
- 高度順応を考慮し、余裕のある日程をたてる
- 明るいうちにキャンプ地/宿泊地に到着するようにする
- 自分で背負う荷物は5~7kgにとどめる
- 重い荷物を背負ってのトレッキングは、体力の消耗を早くし高山病にかかりやすくなる
キリマンジャロ登山中の高山病のリスク

キリマンジャロ登山で最も恐れるのは、この高山病。
高山病は、高地で酸素が欠乏することによって引き起こされる病気である。登山の経験が豊富でも、標高2,500mぐらいから発症する可能性がある。治療方法は、下山と酸素投与。
- 登山など標高が高い場所で陥りやすい「高山病」とは?
- 死を伴う可能性もある、高山病の症状
- 高山病のリスクを避けるための予防方法とは?
- 高所登山をするまえに飲んでおきたい高山病の予防薬

高山病、マラリアの予防薬、黄熱病の予防接種

高山病、マラリア対策
東アフリカにあるタンザニアは、マラリアの感染リスクのある地域とされているため、病院に行きマラリア対策のための薬を処方してもらいました。
同じタイミングで、高山病の予防薬も処方してもらいました。
私は南アフリカ共和国で処方してもらいましたが、診察代が800ランド、薬代が300ランドでした。
黄熱病の予防接種
診察代が200ランド、予防接種代として600ランド、合計800ランド(≒約6,400円)。
受付で問診票を記入し、診察、予防接種の流れで、所要時間は1時間程度。
予防接種後に、黄熱病の予防接種を受けたことを証明するイエローカードをもらうことができます。
キリマンジャロ登山に向けたトレーニング
これまで12月下旬の登山に向けて、二回、南アフリカのマラソン大会に出場しました。南アフリカは標高が高い(約1,800m)なので、高所順応に向けた良いトレーニングになったと思います。
そして、最後の追い込みとして始めたのが、『縄跳び』。
キリマンジャロ登山まで二週間を切ったので最後の追い込みをしています。なわとびで。
約20年ぶりにハヤブサ、後ろ交差2重。全身が悲鳴を上げる。
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) 2017年12月10日
キリマンジャロ登山まで二週間を切ったので最後の追い込みをしています。なわとびで。
約20年ぶりにハヤブサ、後ろ交差2重。全身が悲鳴を上げる。
調べてみたところ、登山家でなわとびをしている人は多いそうな。縄跳びは思いのほか激しい運動のため、消費カロリーが高く、登山に適した運動だそうです。
キリマンジャロ登山中の様子をブログにまとめました
キリマンジャロ登山(マチャメルート)の様子を以下の記事にまとめました。
「キリマンジャロ登山はどんな雰囲気か?」「登山中にどんな景色を眺めることができるか」、これからキリマンジャロ登山に挑戦する方の参考になれば幸いです。
