南アフリカ在住のきたむ(wakajps)です。
近年、南アフリカ共和国のなかでも、日本人の旅行客が多く訪れる観光地ケープタウン(Cape Town)。
南アフリカでは二番目に大きな都市と言われています。
南アフリカというと、10年以上前からヨハネスブルグの治安の悪さに関する記事がインターネット上に目立っていて、「本当に観光・旅行して大丈夫なところなのだろうか」と思う方が多いのではないでしょうか。
本記事では、いま入手できる最新の統計とデータにもとづいて、現在のケープタウンの治安・危険度を考察し、観光・旅行するときに知っておくべきことを紹介していきます。
- 世界的に11番目、南アフリカでは一番犯罪(殺人)が多い都市
- リスクを減らし気を付けることで観光を楽しめる
- 犯罪件数の多いエリアには近づかない
- 日本人の被害状況として、ATM関係の犯罪が増加傾向にある
世界の都市でみたケープタウンという都市の治安・危険度

下のグラフは2018年における世界の都市の殺人率の統計をランキング形式(トップ50)にしたものです。
このデータによると、ケープタウンは世界11位。南アフリカ共和国の都市の中では1位です。
順位 | 都市/国 | 犯罪率 |
---|---|---|
1 | チジュアナ/メキシコ | 138.26 |
2 | アカプルコ/メキシコ | 110.5 |
3 | カラカス/ベネスエラ | 99.98 |
4 | シウダーヴィクトリア/メキシコ | 86.01 |
5 | シウダージュラレス/メキシコ | 85.56 |
6 | イラプアト/メキシコ | 81.44 |
7 | シウダド・グアヤナ/ベネズエラ | 78.3 |
8 | ナタール/ブラジル | 74.76 |
9 | フォルタレザ/ブラジル | 69.15 |
10 | シウダーボリバー/ブラジル | 69.06 |
11 | ケープタウン/南アフリカ共和国 | 66.36 |
12 | べレム/ブラジル | 65.31 |
13 | カンクン/メキシコ | 64.46 |
14 | フェイラデサンタナ/ブラジル | 63.26 |
15 | セントルイス/アメリカ | 60.59 |
16 | クリアカン/メキシコ | 60.52 |
17 | バルキシメト/ベネズエラ | 56.67 |
18 | ウルアパン/メキシコ | 54.52 |
19 | キングストン/ジャマイカ | 54.12 |
20 | シウダーオブレゴン/メキシコ | 52.09 |
45 | ネルソンマンデラベイ/南アフリカ | 39.16 |
47 | ダーバン/南アフリカ | 38.51 |
引用: Statista
ケープタウンの殺人率が国内一位となっていますが、これには実はカラクリがあります。
近郊のタウンシップ(黒人居住区)の治安が悪さが突出して高く、これによりケープタウンが上位にはいっています。このタウンシップは特別な用がなければ、観光客は訪れないエリア。観光客が多く訪れるエリアは、さほど高いわけではないと言われています。逆にいえば、観光で訪れる場合、タウンシップへの侵入は避けるべきです。
犯罪率でみる南アフリカにおけるケープタウンの治安状況

以下は、南アフリカの警察が公表している南ア国内の犯罪率の統計です。ケープタウンで発生した犯罪の状況がわかります。
The South Africa Cities Network(SACN)が発行した2018年/ 19年の最新の都市安全報告書によると、結果は以下のとおり。
都市 100,000人あたりの殺人件数 ケープタウン 69 ネルソンマンデラベイ 54 ダーバン 46 バッファローシティー 43 ピーターマリッツバーグ 40 マングアング 39 国の平均 36 イクフレニ 32 ヨハネスブルグ 31 プレトリア 17
ケープタウンの殺人率は2009/10年以降、着実に上昇し続け、2009/10年から2017年/ 18年の間に約70%上昇している。
殺人率は、ケープタウンが南アフリカ国内でトップなので十分に気を付ける必要があります。
「ではどういったことに気を付ければよいのか?」を下に挙げていきます。
南アフリカに住んでいる者として「ケープタウンの治安」の所感

自分のこれまでの経験、調べていく中でわかったのは、犯罪に巻き込まれる可能性は、以下の二つで大きく左右されるということ。
- ケープタウンの中でも治安・危険度は場所によって変わる
- 犯罪に巻き込まれるリスクを最小限に抑える
大きく上の二つに気を配ることで犯罪に巻き込まれるリスクを下げ、観光・旅行することができます。
要は、自分自身の行動、立ち振る舞い次第で被害にあうリスクを下げられるということです。
詳しくは下に紹介していきます。
ケープタウンに観光・旅行するときに気を付けるべきこと

ホテル、ゲストハウス、宿
- 荷物を目のつくところに放置しない
- 貴重品はホテルのセーフティボックスに保管
- 部屋にいてもいなくても、部屋をロックされた状態に保つ
- 部屋をノックされても、ドアを開ける前に誰かを確認する
- ホテルを出るときにフロントデスクにキーを渡す
万が一荷物を残すときは鍵のかかる場所やカバンに隠して置くのがよいです。
外出・通りを歩くとき
- ジュエリー、カメラ、その他の貴重品は人目につかないようにする
- 多額の現金を持ち運ばない
- 夜間は暗い場所を歩かない
- 複数人で移動して、明るくて人通りの多い通りを歩く
- 迷子になったときは、警察官または観光案内所、店員に道を聞く
- ATMでお金をおろすときは、まわりに不審者がいないかよくみまわす(極力、セキュリティガードのいるATMを使う)
私の場合、外を歩くときは、クレジットカードとパスポートを薄いポーチに入れ、肌着の下に身に着けていました。
クレジットカードは、海外旅行保険が自動付帯するクレジットカードを持ち物に入れておくと良いです。
この保険により、スマホやパソコンなど、万が一、貴重品を盗難されてしまっても返金の対象となる可能性が高いです。
関連記事 南アフリカ共和国でクレジットカードを使用する際の注意点とリスク
レンタカー等で運転(ドライブ)するとき
- 事前に移動ルートを確認しておく(危険な場所を通らない)
- 常に車のドアをロックしたままにして、窓は閉めたままにしておく
- 車に入れた荷物はトランクなど外から目のつかないところしまっておく
- 夜間は、明るい場所に駐車する
- 見知らぬ人を乗車させない
- 常に地図を持つようにして、パスポートなどの重要な書類はホテルのセーフティボックスなどの安全な場所に保管する
- 空港から車をレンタルして運転する場合は、途中で車を止める必要をないようにするために、事前に正確なルートを確認しておく
関連記事 【南アフリカ】レンタカー&運転で気を付けるべき点を解説【ドライブ】
治安・危険度の観点で近寄ってはいけないスポット10箇所

2017年11月に南アフリカ警察が危険度の高い(犯罪が多い)エリアを公表しました。
2016/2017年の犯罪件数にもとづいて算出されています。特にNyanga、Mfuleni、Khayelitsha、Gugulethuの地域には、近づかないように注意しましょう。

ケープタウンに訪れたことのある方ならわかると思いますが、上のマップで表示されている場所は、観光客が近付かないようないわゆるスラム街(タウンシップ)と言われている場所です。
ケープタウン市内で全く犯罪がないわけではありませんが、この市内から離れたところにあるNyangaなどのスラム街では、殺人率が突出して高いと言われています。
ケープタウンの殺人率が高いからくりはこれです。逆にいえば、滞在する場所に気を付けることでリスクを減らすことができます。
ケープタウンでの邦人(日本人)の犯罪被害状況は?

7月21日(土)16時15分頃、邦人旅行者がケープタウン市内のAdderleyバス停に向かう途中、バス会社スタッフらしき制服を着た男に、市内中心部で大規模な火災が発生した影響で、MyCitiバスのカードシステムが故障しているため、乗車には券売機で特別なスリップの発行が必要と声を掛けられ、そのまま地下の券売機まで誘導された。
その後、券売機にMycitiバスカードを挿入しようとしたところ、バスカードを購入したクレジットカードの挿入が必要だと言われたため、指示通りカードを挿入し、暗証番号の入力を行うも、カードがはき出され最初の画面に戻ることを繰り返した。何度か試しているうちに、警備員と名乗る制服をきた男が近づき話かけてきたが、その間に別の者にカードを抜き取られ、数分内にキャッシングにより約9万円前後の金額が引き出された。
引用:在南アフリカ共和国日本国大使館からのメール(たびレジより)
最近は、ATMに絡んだ手口の犯罪が増えているようです。ケープタウンに観光・旅行で訪れる際は、事前に知っておきたい情報ですね。
同じメールでこの手口の犯罪を防ぐ方法が紹介されていました(以下)。
つきましては、ATM使用中の窃盗被害は、警備員がいない場所や夕方など人が少ない時間帯に多く発生する傾向にあり、犯行も組織化していますので、ATMの利用に際しては、以下の安全対策を講じるようにしてください。
(1)警備員がいる銀行やショッピングモールのATMを利用する。また、閑散としている場所、時間帯の利用は避ける。
(2)ATMの周りに複数で待機しているなど、怪しい人物がいないか、ATM利用前に周りを確認する。
(3)暗証番号入力時は、片手で覆いをするなど、慎重に入力する。
(4)ATM利用中に他人から話かけられた場合は、直ちに取引を中止して、その場を離れる。ただし、今般の事例にように、複数人に取り囲まれた場合には、二次被害を防ぐため、抵抗せず指示に従う。
(5)銀行によっては、カードレス現金払出しサービスを提供しているので、このサービスを利用することで、カードすり替え被害対策には効果的。
※また、ATM以外でもクレジットカード等を機械に挿入する場合は同様の被害があり得ますので、同じくご注意ください。
ショッピングモールの中のATMあればセキュリティスタッフがついていることが多いです。このATMを使用しましょう。
通りに面しているATMや無人のATMは、使用しないように注意が必要です。
現金やATMを使用しないことでリスクを下げられます。南アフリカのクレジットカード事情については、以下の記事でまとめています。
https://wakajps.com/blog/south-africa-credit-card/
南アフリカに旅行・観光するときに準備するべきこと
犯罪に巻き込まれて怪我を負うリスクがありますし、なんといってもスマホやカメラなどの携行品が盗まれてしまうケースが多発しています。
エポスカードなど、クレジットカードに付帯する海外旅行保険を持っていると、万が一、貴重品が盗まれても、20万円など所定の金額が補償されます。
保険会社の海外旅行保険に加入すると数万円の費用がかかってしまいます。
エポスカードであれば、特別な支払いや手続きなしで保険が適用されます。お得ですね。
ケープタウンでホテル・宿を予約するとしたらどこが良い?

南アフリカで生活していて友人からよく聞かれるのがこの質問。
「ケープタウンでおすすめの宿は?」「安全な宿・ホテルはどこ?」とよく聞かれます。私自身も、はじめた訪れた際は、どの場所の宿が安全なのだろうと思っていました。
以下の記事で、立地など安全面に配慮したケープタウンの宿・ホテルを紹介しています。
https://wakajps.com/blog/cape-town-safety-hotel-accommodation/
さいごに

公表されている統計とデータ、実際に訪問した経験にもとづいて、現在のケープタウンの治安を考察してみました。
- 世界的に11番目、南アフリカでは一番犯罪(殺人)が多い都市
- リスクを減らし気を付けることで観光を楽しめる
- 犯罪件数の多いエリアには近づかない
- 日本人の被害状況として、ATM関係の犯罪が増加傾向にある
ケープタウンは、観光や旅行、バックパック、ビジネス目的で訪れる方も多い都市。危険に合うリスクを減らすことで、十分に滞在を楽しむことができます。
街中を移動する場合は、できるだけ徒歩を避けてUber(【南アフリカ】タクシーで移動するならUberとTaxifyが圧倒的おすすめ!)を使うと安全に移動することができます。
上のリンクでは、クーポンコードがついていますので、利用する際はぜひ登録してみてください。登録は無料です。
南アフリカに限らず、海外にいればどこの国でも犯罪や危険に巻き込まれる可能性はグッと高くなります。
日本とは環境が異なるので、”海外にいる”という意識をしっかり持って行動しましょう。
ケープタウン近くのタウンシップを歩いて回れるツアーがある!

南アフリカでは大都市の近くにタウンシップとよばれる黒人居住区があります。アパルトヘイト時代の名残ともいわれています。
一般的には治安が悪い、危険と言われてしまうエリアですが、現地のガイドともにこのタウンシップを歩いて回れるツアーがあるのです。
そのツアーに参加してきましたので、興味のある方は下の記事から見てみてください。
ケープタウン中心部の華やかな街並みとは景観が異なり、南アフリカの現状を知る機会になると思います。
https://wakajps.com/blog/langa-township-tour/
ケープタウンの観光・旅行基本情報まとめ

ケープタウンの観光旅行スポット、訪れるならぜひ知っておきたい情報は、以下の記事でまとめています。
https://wakajps.com/blog/south-africa-cape-town/
南アフリカ情報のあれこれ
観光・旅行の基本情報、よくいただくご質問をまとめました。
- 旅行時の荷物・持ち物
- ホテル・宿予約(ケープタウン・ヨハネスブルグ・ダーバン)
- SIMカードとレンタルWiFI
- コンセント・変換プラグ
- クレジットカードを使おう
- 南アフリカでのチップ
- 気温・気候と服装
- 南アフリカのグルメ
- 南アフリカの公用語
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