きたむ(wakajps)です。
アフリカといえば、サファリやマサイ族のイメージが強い人もいると思います。
最近では、だんだんとテレビで取り上げられることが増え、アフリカを身近に感じる人が増えてきたのではないでしょうか。
この記事では、南アフリカを拠点として二年間生活、アフリカの国5カ国滞在経験のある私が、アフリカの治安・危険度について考察していきます。
- アフリカって治安・危険度はどれくらい?安全なの?
- アフリカに旅行・観光しても大丈夫?
はじめにお断りをすると、この記事で”アフリカすべての国”について、網羅しているわけではありません。
私が実際に訪れた国について、外部のデータと自分の所感に基づいて記しています。行ったことのない国について、無責任には書けませんので、、
そもそも「アフリカ」という国は存在しない

「アフリカ」という一括りにする表現。この表現では、まず説明がつかないです。
アフリカ大陸には54カ国以上の国があり、言語や文化、政治や社会情勢が異なり、”治安が悪い”とされる理由もさまざま。「アフリカ」を一括りにして説明することは難しいです。
仮に、北アフリカ、西アフリカ、東アフリカ、南アフリカと括っても、あくまでその地域の傾向しか掴むことはできません。
アジアで考えても同じことがいえると思います。
日本に住む日本人に対して「アジアって治安どう?」って聞いたら、「いや、そもそもアジアでもいっぱい国があるから、国によりけり…」と思いますよね。それと同じです。
そもそもアフリカという国は存在するわけではなく、仮に一つの国にフォーカスしても、その国全体が一様に危険にさらされているわけではない(都市によって異なる)ことがありえるので、一概に言うことは難しいわけです。
なので、アフリカの治安の良い国はあるの?安全な国は?ランキングはある?と聞かれても答えづらく、ましてや知っている人なんてこの世に存在するのだろうかと疑問に思います。
日本人だからといって、アジア全体のことがわかるわけではなく、もっと言えば、行ったこともない国を比べるのは難しいことと思います。
「ヨハネスブルグの治安ってどうなの?」と聞かれることもありますが、最近では、「東京でも歌舞伎町のちょうなところもあれば、代官山みたいなところもあるよね。そんな感じです。」と答えるようにしています。
治安が悪いと言われてしまう、ヨハネスブルグ。2018年はたぶん100回くらい治安のことを聞かれた、と思う。
東京と同じような感じで、歌舞伎町のようなところもあれば代官山みたいなところもあるよ、って最近こたえてる。 pic.twitter.com/bHiGEQYPeE
— きたむ@ミャンマー📷 (@wakajps) December 30, 2018
治安が悪いと言われてしまう、ヨハネスブルグ。2018年はたぶん100回くらい治安のことを聞かれた、と思う。
東京と同じような感じで、歌舞伎町のようなところもあれば代官山みたいなところもあるよ、って最近こたえてる。
もし気になっている国(または都市)があるのであれば、アフリカと一括りにせず、国やその都市ごと調べてみることをおすすめします。
また、治安・危険度といっても、その場所や環境だけに依存するわけではなく、実際に訪れた人の気を付ける度合いでも、被害にあうかどうかは大きく比例するものだと常々感じています。
【アフリカ国別】治安・危険度を考察
以下、私が実際に滞在したアフリカの国の治安・危険度を考察していきます。
ジンバブエ

私が滞在したのは首都のハラレ。
現地日本人在住者の話では、過度な徒歩移動は禁止されているとのこと。
ハラレの一部では外国人が立ち寄らないようなエリアがあり、そこには近寄らないほうが良さそうな雰囲気を感じました。

経済が不安定、現金不足等に悩まされている国ではありますが、最近では深刻な暴動などは起きていない様子。
外部統計・データによる考察
世界の殺人率ランキング | ランキング圏外 |
---|---|
外務省 | 全域:レベル1「十分注意してください」 |
ボツワナ

アフリカの国の中でも治安が良いとされるボツワナ。
現地日本人在住者の話では、気を付けながらも夜間の徒歩移動はできるレベル、とのこと。
私自身も外を出歩きましたが、他の国と比較して、ホームレスや”何もせずふらふらしている人”がいなかったため、危険の気配は感じられませんでした。
それでも、外国人が少ないようなエリアでは、警戒したほうが良いと思います。日本人の自宅を狙った空き巣被害は、過去にあったようです。

私が滞在したのは、首都ハボロネと北部の中都市マウン。
マウンは観光客で多く賑わっていましたが、徒歩移動している人は少なかったため、できる限りタクシーを利用するのが賢明でしょう。
外部統計・データによる考察
世界の殺人率ランキング | ランキング圏外 |
---|---|
外務省 | 危険情報なし |
ザンビア

首都ルサカとリビングストン、北部の街チンサリに滞在しました。
首都ルサカの中心部は外国人が多く、現地日本人在住者の情報では、夜間でも徒歩移動できるレベル、とのことでした。
ですが、私が出歩いた印象では、できるかぎり徒歩移動は避けてタクシー移動したほうが無難、と思いました。

タクシー代のぼったくりは日常的にあるので、事前に相場を確認しておくとスムーズに交渉できると思います(無理に値下げ交渉しすぎないこと)。
外部統計・データによる考察
世界の殺人率ランキング | ランキング圏外 |
---|---|
外務省 | 地域による。レベル2「不要不急の渡航は止めてください」、レベル1「十分に注意してください」のどちらか。 |
タンザニア

ダルエスサラームとザンジバル、モシに滞在。
日本人在住者の話では、ダルエスサラームでは、スリ・ひったくりが発生しやすく、日本人被害者もそれなりの人数と聞きます。

犯罪が発生しやすいとされているのは以下の地域(引用:外務省の安全情報)
カリアコー地区,ザンジバル行きフェリー乗り場周辺,シティーセンター,ムササニ半島のトゥーレ・ドライブ及びココ・ビーチ,セレンダー橋周辺,オーシャン・ロード,ウブンゴ・バスターミナル,市内長距離バス停留所近辺
なお、ブルンジとの国境沿いの地域では、渡航中止勧告が出ています。
この地域に立ち寄ることはできる限り避け、もしどうしても通らないければならない場合は、Uberを使うなどして、できる限り危険のリスクを避けることをおすすめします。
外部統計・データによる考察
世界の殺人率ランキング | ランキング圏外 |
---|---|
外務省 | 地域によってレベル3「渡航中止勧告」、レベル1「十分に注意してください」。安全情報を要確認。 |
南アフリカ共和国

アフリカの国の中でも屈指の経済国、南アフリカ。
南アフリカ共和国に二年以上住んでわかったのは、南アフリカという国の中でも都市や地域によって、治安・危険度は異なるということ。
都市によって、犯罪の傾向や犯罪率が異なるので、南アフリカという括りで、一概に語れないと感じています。(別記事:南アフリカは本当に治安が悪い?在住者でも一概には語れない理由)

観光客、ビジネス出張など、アフリカの国の中でも日本人渡航者が多い国。加えて、南アフリカには、1,500人前後の日本人が住んでいます。
「治安が非常に悪い」とネットでは噂されていますが、現実世界では、そんなに多くの日本人が住んでいるのです。
南アフリカの治安に関する詳しいことは、下の記事でまとめています。
外部統計・データによる考察
世界の殺人率ランキング | 14位(ケープタウン)、43位(ダーバン)、44位(ネルソンマンデラベイ) |
---|---|
外務省 | 一部の地域:レベル1「十分に注意してください」 |
自分の身は自分で守る。できる限りターゲットにされない努力を

犯罪に巻き込まれるステップとして、以下が挙げられます。
- 隙を見せてしまう
- ターゲットにされる
- 犯罪が実行される
②のステップになったときには、もう時すでに遅し、と私は考えます。
ターゲットにされないためには、①をどうにか工夫して、リスクを下げる必要があります。言い換えれば「いかに防ぐか」ということ。
南アフリカにいて日本人旅行客にあったときに感じるのは、「隙が多い」ということ。これは私自身、観光客だろうなぁという人をみかけると、かなり気になり心配にもなります。
ヨハネスブルグ空港なうなのですが、やたら日本人多い!と思ったら、ゴールデンウィークだった。同じアジア人でも日本人は携帯片手にキョロキョロしがちでかなり目立つので空港の中はまだ良いけど街中では気をつけてもらいたいなと思った。なにかされても文句言えないレベル。
— きたむ@ミャンマー📷 (@wakajps) May 2, 2018
ヨハネスブルグ空港なうなのですが、やたら日本人多い!と思ったら、ゴールデンウィークだった。同じアジア人でも日本人は携帯片手にキョロキョロしがちでかなり目立つので空港の中はまだ良いけど街中では気をつけてもらいたいなと思った。なにかされても文句言えないレベル。
例えば、道でキョロキョロしたり、高価そうなモノを身につけていたり、スマホや携帯を道端でいじったりなど。この時点でターゲットになる確率がぐっと高まってしまいます。
逆にいえば、「ターゲットにされない努力をすれば、リスクをさげられる」はずなのです。
「ターゲットになるリスクをできる限り下げること」ためにできることは?

「どういった環境にいるか」で気を付け方は変わります。場面ごとに対応した対策方法を紹介していきます。
ホテル、ゲストハウス、宿
- 荷物を目のつくところに放置しない
- 貴重品はホテルのセーフティボックスに保管
- 部屋にいてもいなくても、部屋をロックされた状態に保つ
- 部屋をノックされても、ドアを開ける前に誰かを確認する
- ホテルを出るときにフロントデスクにキーを渡す
万が一荷物を残すときは鍵のかかる場所やカバンに隠して置くのがよいです。
外出・外を歩くとき
- 夜(暗い時間)になったら出歩かない
- あらかじめ移動ルートを確認しておく
- ジュエリー、カメラ、その他の貴重品は人目につかないようにする
- 高価そうな衣類は身につけない
- 多額の現金を持ち運ばない
- 夜間は、暗い場所を歩かない
- 適宜後ろを振り返る素振りをみせる
- 後ろにつかれているかもと感じたら、お店にはいるなどしてやりすごす
- 複数人で移動して、明るくて人通りの多い通りを歩く
- ATMでお金をおろすときは、まわりに不審者がいないかよくみまわす(セキュリティガードのいるATMを使う)
私の場合、外を歩くときは、クレジットカードとパスポートを薄いポーチに入れ、肌着の下に身に着けていました。
クレジットカードは、海外旅行保険が自動付帯するエポスカードがおすすめです。
この保険により、スマホやパソコンなど、万が一、貴重品を盗難されてしまっても返金の対象となる可能性が高いです。年会費無料です。
運転(ドライブ)するとき
- 事前に行先までのルートを確認しておく(危険な場所を通らない)
- 常に車のドアをロックしたままにして、窓は閉めたままにしておく
- 車に入れた荷物はトランクなど、外から目のつかないところしまっておく
- 夜間は、明るい場所に駐車する
- 見知らぬ人を乗車させない
- 常に地図を持つようにして、パスポートなどの重要な書類はホテルのセーフティボックスなどの安全な場所に保管する
- 空港から車をレンタルして運転する場合は、途中で車を止める必要をないようにするために、事前に正確なルートを確認しておく
もし襲われてしまったら..?
もし万が一襲われてしまったときは、「無抵抗主義」を貫きましょう。
下手に抵抗すると、それによって怪我を負ってしまうリスクが高まります。
悔しい気持ちを抑えて相手の要求に従ったほうが良いです。物は買えば取り返しがつきますが、命は取り返しがつきません。
気の緩みに注意
被害にあった方の話を聞いていると、「少しの気の緩み」を見せたときに犯罪に巻き込まれてしまうケースが多いです。
「帰国直前でもう大丈夫だろう…」「近いから少しぐらい歩いても大丈夫だろう…」など。これまでの経験上、油断してしまったときが一番危ないように思います。
気を付けることをたくさん挙げましたが、意識するのは「客観的に自分をみて、ターゲットとなりえそうか」。
「もし自分が犯人だったら、自分のような人を狙うか…」で考えるとわかりやすいと思います。
さいごに

私が経験し、知る限りのアフリカの国の治安・危険度を網羅しました。ちなみに、私自身は未だに危険な目にあったことは一度もありません。
上であげた国については、危険情報が発生していない地域であれば、旅行や観光で渡航することは(絶対の安全を保障するものではなく)十分に可能、というのが私の解釈。
そして、渡航する場合は、現在の情勢を必ずチェックし、できる限りターゲットにされないよう自分自身でリスクを下げておくべきだと考えています。
まだまだ身近とは言えないアフリカ。一つずつ知っていくことが自分を守るコツであり、アフリカを知っていくことの一歩だと思います。
以上、きたむ(wakajps)でした。
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